ISLAM   〜ムスリムとして知っておくべきこと〜

『イスラームに関する質問 』

ムハンマド・ジャワド・シューリ


注:ウィルソン・H・グウェルティン(W)
     イマーム・シューリ(C)

  【質問18 聖書がムハンマドを証言する】


W: 先の議論にあった証拠は大変説得力があると思います。
ムハンマドの預言者性を確かに証明しています。クルアーンの優位性自体がこの事実の証拠で、多くの予言が語られています。では、旧約聖書と新約聖書は預言者ムハンマドの出現を予言していたのでしょうか?



C: 預言者ムハンマドを予期した節が聖書の中にいくつかあります。
名前を述べてはいませんが、その描写はまさにムハンマドのことです。

「わたしは彼らのために、同胞の中からあなたのような預言者を立ててその口にわたしの言葉を授ける。彼はわたしが命じることをすべて彼らに告げるであろう。彼がわたしの名によってわたしの言葉を語るのに、聞き従わない者があるならば、わたしはその責任を追及する。」(旧約聖書 申命記 18章18節−19節)

この節は神がイスラエルの同胞の中から預言者を遣わせることを約束しています。
その預言者はモーゼのような人であり、神の命令をこの預言者から告げさせ、
預言者は神の名においてそれを語ることを告げています。

予期される預言者については三つの説明があり、預言者ムハンマドの他にこれに当てはまる人はいません。

1.未来に現れる預言者はイスラエルの同胞の中からやって来る。
     イスラエル人とのつながりがあるのはアラブ人だけです。アラブ人以外に
     イスラエル人の同胞と呼ばれる人は世界のどこにもいません。
     イスラエル人はイサクの子孫、アラブ人はイシュマイル、つまりイサクの兄の子孫
     だからです。

2.未来に現れる預言者はモーゼのような人。モーゼは新しい天啓の預言者でした。
     モーゼはその民の精神的指導者であるだけでなく世俗的指導者でもありました。
     この説明が適合するのは、モーゼの後に現れたすべての預言者の中でムハンマド      だけです。イエスを含む預言者の中で新しい法・天啓を告げるために遣わされた
     預言者はいませんでした。イエスはモーゼの天啓に従ったのであり、新しい法を
     紹介したのではなかったし、イスラエルの民の世俗的指導者でもなかった。
     さらにいえば、ムハンマド以外の預言者はみなイスラエル人自身であり、
     イスラエル人の同胞からではなかった。

3.約束された預言者は自分の言葉を語らないとこの節は述べています。
     神の御言葉をそのまま預言者の口で語らせる、と。
     預言者が紹介した啓典が神の言葉そのものだと主張した預言者はムハンマドの
     他にはいなかった。モーゼは啓示を直接受けていますが、神の教えを自分の
     言葉で伝えました。モーゼの五書は、神の直接の言葉ではなく、モーゼの言葉
     としてみなされています。旧約聖書はすべて人間の書き手によって書かれた
     人間の言葉から成り立っています。
     福音書の四書もそうです。イエスは神から授かった真実を述べていますが、
     自分の言葉で伝えています。聖書は神と人間の対話といえます。
     クルアーンの言葉はムハンマドが神の言葉をそのまま伝えたことしか含まれ
     ません。ムハンマドはクルアーンの言葉が自分の言葉だと宣言したことはなく、
     ムハンマドの朗唱したクルアーンは神が彼の口に語らせた神の言葉そのままなの
     です。

このように、説明された内容はムハンマドのみに当てはまるようです。
ムハンマドが予期される預言者だったことのもう一つの説明が、同じ申命記にあります。

「これは神の人モーセが生涯を終えるに先立って、イスラエルの人々に与えた祝福の
言葉である。主はシナイより来り/セイルから人々の上に輝き昇り/パランの山から
顕現される。主は千よろずの聖なる者を従えて来られる。その右の手には燃える炎が
ある。」(旧約聖書 申命記 33章1節‐2節)

「主は来り」とは啓示がやって来るという意味です。
モーゼは三つの場所で三つの預言者が現れることを述べています。
シナイに現れるというのは、モーゼ自身の預言者性を示しています。

もう一つの神の顕現がセイルでの啓示です。
これはイエスが授かった啓示を意味しています。
なぜかというとセイルはヨルダンにあるからです。

そして三番目がパランの山から顕現される神の光。
これはムハンマドの預言者性を示しています。パランの山はヒジャズにあります。
ムハンマドが生まれ住んだ土地でした。
「主は千よろずの聖なる者を従えて来られる。その右の手には燃える炎が ある」が
その事実を示しています。

一万人の兵士と共にヒジャズの首都メッカに入り、偶像崇拝者を征服したのが
預言者ムハンマドでした。新約聖書にもムハンマドの出現を明確に示した節が
あります。

イエスは言われた。「聖書にこう書いてあるのを、まだ読んだことがないのか。
『家を建てる者の捨てた石、/これが隅の親石となった。これは、主がなさったことで、 /わたしたちの目には不思議に見える。』だから、言っておくが、神の国はあなたたち
から取り上げられ、それにふさわしい実を結ぶ民族に与えられる。 この石の上に落ちる者は打ち砕かれ、この石がだれかの上に落ちれば、その人は押しつぶされてしまう。」
(新約聖書 マタイ書 21章42節−44節)

ここでは、ユダヤ人に向けた予言、すなわち神の国をユダヤ人から取り上げて別の
民族に与えるということを語っています。
イエスの後で神の啓示を世界に伝えたと主張した国は、アラブ民族以外にはありませんでした。 アラブ民族が世界に伝えた神の啓示とは、つまりムハンマドが啓示を受けた
イスラームの教えのことです。

イスラエルの民に取って代わる国のことを「家を建てる者の捨てた石」と語っています。
これはアブラハムの時代のイシ神とイサクとの契約を示し、この契約からイシュマイルは除外されました。旧約聖書にはこうあります。

「イシュマエルについては、あなたの言うことを聞き入れた。確かに、わたしは彼を祝福し、彼の子孫をふやし、非常に多く増し加えよう。彼は十二人の族長たちを生む。わたしは彼を大いなる国民としよう。 しかしわたしは、来年の今ごろサラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てる。」 (創世記17章20、21節)

アブラハムの時代、イシュマエルとその子孫が除外されたために、イエスは彼らのことを「家を捨てた者の石」と呼んだのでした。そしてイエスはイスラエル人に捨てられた石は「隅の親石」になると告げました。

ムハンマドとアラブ人はイシュマエルの子孫です。
イエスがイスラエル人と取って代わる国だと語った民族のことでした。

イエスは取って代わる国について「この石の上に落ちる者は打ち砕かれると、この石がだれかの上に落ちれば、 その人は押しつぶされてしまう」と説明しました。
神の国を授かるのは勇敢な国。攻撃してくる敵を打ち負かす力を持った国。
そういうことを意味しています。この説明が適合するのはアラブ民族だけです。
神の教えを護り、勇敢に敵を倒したアラブ民族は、他のどの民族とも異なっていた。
イエスの後、たくさんの勇敢な民族が存在していたことを歴史は証言していますが、
神の啓示に突き動かされた民族はムハンマドの共同体以外にはありませんでした。



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